令和元年度のクラウドファンディングによる資金を活用した、「令和2年度頚城山塊ライチョウ個体群生態調査」の結果をご報告します。
令和2年(2020年)度頸城山塊ライチョウ個体群生態調査事業_報告書
この調査では、ライチョウの繁殖期・非繁殖期の生態調査、高山帯の哺乳類の生息状況調査を実施しました。
ライチョウの繁殖期の確認数は令和元年度24羽に対し、令和2年度は22羽と微減になりましたが、過去のデータと照らし合わせると少ないながら比較的安定した生息数と考察されます。
また、繁殖期後の非繁殖期の調査においては32羽の生息が推測できる結果となったことから、今年度については幼鳥の加入(繁殖の成功)はあるものと考えられ、うれしい結果となりました。
哺乳類の調査につきましては、増殖による食害の懸念がある「シカ」が高山帯で確認されましたが、その頻度は低く、現時点においてはひとまず安心できる結果となりました。しかし、低山帯でのシカの個体数は確実に増殖傾向にあることから、ライチョウの調査と同様に継続して調査することにより、増殖時の対策を検討していきます。
令和3年度の調査につきましては、ライチョウの生息数と合わせて、まだ明らかになっていない冬期間のライチョウの活動域の確認を予定しています。
妙高の大きな魅力の一つである冬のアクティビティの使用区域と、ライチョウの生息域を重ねることにより、冬期間の妙高におけるライチョウと人の共存について考える第一歩となる調査です。
生命地域妙高環境会議では、継続した調査及びそれに基づく対策を実施していきます。
そのためには、入域料及びクラウドファンディング等の皆様からのご協力が不可欠です。
引き続き、ご理解をいただきますようお願いいたします。