生命地域妙高環境会議では、新潟県妙高市の自然保全、ふれあいを目的とし、グリーンツーリズム・エコツーリズム・ヘルスツーリズムの活動に取り組んでいます。

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妙高の自然環境を守る
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ライチョウの保全

ライチョウの保全

日本最北・最小の個体群
火打山ライチョウ 火打山ライチョウ

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日本の特別天然記念物であるライチョウは北限を取り巻く国に広く分布しているが、日本は世界最南限の生息地である。世界で最も寒さに適応した鳥なので足にまで羽毛が生えており、日本では高山帯でのみ繁殖する。
遺伝子レベルでは火打山・北アルプス・乗鞍岳・御嶽山・南アルプスの5つの集団に分かれていて、火打山は日本最北限・最小の集団なのである。
火打山でライチョウの繁殖が確認されたのが1957年。火打山にはおよそ20~30羽のライチョウが生息してきたが、それから60年近くこのわずかな数で絶滅せずに来たのは大きな謎である。

火打山のライチョウにはさらに謎が多く、火打山にしかない独特の遺伝子タイプが見つかっており、日本の中で最も祖先的な集団だと考えられている。オスよりメスの数が多く、一夫二妻と思われる観察例も多くある。
産卵数は日本で一番多い。
こんなユニークで謎だらけの火打山のライチョウもここ数年で数を減らしてきている。

原因ははっきりしていないが温暖化の影響やニホンジカの侵入などライチョウを取り巻く状況は厳しい。
火打山のライチョウを守ることは妙高エリアの自然を守ることにつながる。

ライチョウ1
ライチョウ2
DATA

ライチョウ

学名Lagopus muta japonica キジ目ライチョウ科 絶滅危惧ⅠB類

成熟個体で全長約37㎝。
年に3回換羽し、夏羽は白・黒・茶のまだら模様で、冬羽は全身白色となる。
メスは6月にハイマツなどの根本など地上に窪みを作り、巣とし、産卵する。
主な食物は高山植物(コケモモ、ガンコウラン等)の芽、種子など。

火打山で確認された個体数の推移

(5月末~6月上旬の調査結果)

2008年
(28羽)
2009年
(33羽)
2010年
(26羽)
2011年
(26羽)
2012年
(31羽)
2013年
(25羽)
2014年
(17羽)
2015年
(13羽)
2016年
(24羽)
2017年
(19羽)
2018年
(12羽)
2019年
(24羽)
2020年
(22羽)
2021年
(18羽)
2022年
(27羽)
2023年
(27羽)
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2008年
(28羽)
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(33羽)
2010年
(26羽)
2011年
(26羽)
2012年
(31羽)
2013年
(25羽)
2014年
(17羽)
2015年
(13羽)
2016年
(24羽)
2017年
(19羽)
2018年
(12羽)
2019年
(24羽)
2020年
(22羽)
2021年
(18羽)
2022年
(27羽)
2023年
(27羽)
ライチョウ2 DATA

ライチョウ

学名Lagopus muta japonica キジ目ライチョウ科 絶滅危惧ⅠB類

成熟個体で全長約37㎝。
年に3回換羽し、夏羽は白・黒・茶のまだら模様で、冬羽は全身白色となる。
メスは6月にハイマツなどの根本など地上に窪みを作り、巣とし、産卵する。
主な食物は高山植物(コケモモ、ガンコウラン等)の芽、種子など。

火打山で確認された個体数の推移

(5月末~6月上旬の調査結果)

2008年
(28羽)
2009年
(33羽)
2010年
(26羽)
2011年
(26羽)
2012年
(31羽)
2013年
(25羽)
2014年
(17羽)
2015年
(13羽)
2016年
(24羽)
2017年
(19羽)
2018年
(12羽)
2019年
(24羽)
2020年
(22羽)
2021年
(18羽)
2022年
(27羽)
2023年
(27羽)

ご協力のお願い

*ライチョウを見かけても、近づかず、刺激せず、そっと遠くから見守るようにしましょう
*隠れ場や餌となる高山植物を踏み荒らさないために、登山道を外れないようにしましょう。
*ライチョウの保護に向けては生息数や生息域を把握することが重要ですが、火打山のライチョウについてはどこで越冬しているかなど、未だにわかっていないことが少なくありません。生息域の把握等のため、登山時等の際にライチョウを見かけた時は
①日時 ②目撃場所 ③天気 ④目撃数 ⑤お気づきの点等について記録し、ファックスまたはメールで、環境会議事務局(妙高市役所環境生活課)までお知らせください。

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生物多様性の保全

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生物多様性の保全

国立公園の自然環境・
景観を守るために

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国立公園の自然環境・景観を守るために
カエルの産卵

日本の森には約9万種以上の生物が生息していると言われています。中には世界中で妙高だけにしかいない生物も存在します。
日本最小、最北の個体群である火打山のライチョウ、市の天然記念物のギフチョウ、“妙高”の名を冠し、紫色の花を咲かせるミョウコウトリカブトなどは妙高におけるユニークな存在です。一方で、国立公園内外においてオオハンゴンソウやアレチウリ、またオオクチバスなどの侵入や繁殖が見られ、在来の生態系や景観への影響が出ています。
全国有数の豪雪地でもある妙高は、厳しくもすばらしい自然の営みと、そこから恵みを受けた独特の文化や山岳信仰等が相まって独特の風景が作られてきました。環境会議では、妙高山麓の豊かで美しい生物多様性のほか、人々が長らく暮らしの場としてきた奥山、里地の保全活動に取り組んでいます。

いもり池のスイレン駆除

いもり池のスイレン駆除

夏から秋にかけて白い可憐な花を咲かせる、いもり池の園芸スイレンは外来種です。
この“園芸スイレン”は旺盛な繁殖力たあり、在来の生態系等へ甚大な被害を及ぼすことが予想されるため、環境省は「重点対策外来種」に指定しています。
いもり池では、昭和50年頃に移植されたと言われ、現在では水面全域を覆うほどに繁殖し、ヒツジグサやヒルムシロなどの在来種が駆逐されてしまいました。
また、いもり池の見どころの一つであった水面に映る「逆さ妙高」も見ることができなくなっています。
以前のいもり池の生態系や、眺望を取り戻すため、地域の皆さんと協力しながら、ボートに乗っての引き抜きなどの駆除を毎年行うなどの、継続的な駆除が必要となっています。 

いもり池周辺・笹ヶ峰高原での
オオハンゴンソウ駆除

いもり池周辺・笹ヶ峰高原でのオオハンゴンソウ駆除

オオハンゴンソウは黄色い花を咲かせる北米産の多年草。
繁殖力が強く、他の在来種の生育に影響を及ぼすため、対策の緊急性が高く、積極的な防除が求められる環境省指定「緊急対策外来種」に挙げられています。
国立公園妙高の象徴的地域である笹ヶ峰高原でも生息が確認されるようになり、平成22年から毎年、市内外からのボランティアの協力をいただく中で、駆除を実施しています。
オオハンゴンソウは種子のほかに根でも増えるため、駆除は根こそぎ行い、抜き取ったオオハンゴンソウは袋につめ、市の施設で焼却処分にします。

ご協力のお願い

自然保護に携わる団体、ボランティアの方のご協力をいただく中で、集中的に笹ヶ峰高原を中心にオオハンゴンソウの駆除を進めていますが、新たな繁殖地が毎年確認されています。また、いもり池のスイレンについても抜根駆除を進めていますが、繁殖力が強いため、駆除作業が追い付かないのが現状です。
駆除は重労働の上、今のところ人力に頼らざるを得ないのが現状です。
駆除作業を実施する際は、適宜ボランティアの募集をしますので、美しく多様性に富む妙高の自然環境の保全活動にぜひご協力をお願いします。

【ご家庭の周りでオオハンゴンソウ(特定外来生物)を見かけたら】 オオハンゴンソウが庭先や所有している土地で見かけたら放っておかずに駆除しましょう。
しかし、特定外来植物を生きたまま移動や保管する等の行為は禁止されています。処分する際は、根から引き抜いたものを2~3日間天日にさらして枯死させたうえで、燃えるごみとして処分してください。場所によっては除草剤による駆除も効果的です。

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里地・里山の保全

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里地・里山の保全

里山・里地保全の必要性

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里山・里地保全の必要性

人が暮らしに必要な燃料や食料、資材などを自然の中から得るため、手を加えることで維持してきたのが田や畑、薪炭林などを含む里地・里山です。
しかし、物質的な豊かさの追求、生活様式の変化とともに、化石燃料や輸入農産物等に依存した社会へ急速に変質が進み、農林業の担い手の減少、利用価値が低いと見なされたことなどにより、棚田や雑木林の放置が進みました。妙高の自然の恵みは利用されることが少なくなり、里地・里山の生態系の荒廃も進んでいます。
その結果、以前は身近な存在であったメダカやホタルなどの身近な存在であった生物が減少し、また所有者が不在・不明の里山も多く、イノシシ、ニホンジカといった野生鳥獣による被害も広がっています。

森林資源の保護

【森林保全の必要性】
妙高市の森林面積は34,623haで市域の78%は森林が占めています。
そのうち53%は民有林で、うち20.8%は人工林となっています。人工林をはじめとする森林の多くは林業など人の手により守り育てられてきました。しかし、豪雪地の木材品質の維持の難しさや経営コスト高など収益性の低さから、森林資源は量的には充実していますが、伐採が進まない状況です。 森林管理が十分行われない森林では貯水機能の低下により、土砂崩壊が起こりやすく、生物多様性が低下し、さらには二酸化炭素吸収機能が弱くなります。
森林が市域の面積の多くを占める当地域では、森林機能を発揮する上での、上流部にあたる里地・里山の重要性を理解し、森の手入れを進めていくことが不可欠です。

森林資源の保護

みどりの学習の推進

かつて、子どもたちは家の周りでの野遊び・川遊び、地域の祭事への参加等の体験を通して、自然の巧みさや楽しさ、怖さを感じ、自然の恵みの豊かさを理解してきました。
自然との関わりの中で、自然への感受性が養われてきましたが、今では自然の中で遊ぶ子どもを目にすることが少なくなっています。今、多くの人々は“町場”に住み、自然と直接的には関わらない生活を送っています。
暮らしに必要な食料、衣類等はスーパーマーケットに陳列された商品として存在しています。自然の恵みは目に見えにくくなっており、自然を意識する機会は少なくなっています。
人と自然とのつながりの希薄化は、自然への関わりを通じて維持してきた人と人とのつながりも希薄化させ、地域のコミュニティや活力を低下させることにつながります。まずは子どもたちと自然との接点を回復することが、地域の文化やコミュニティを見直すことにもつながり、失われつつある地域の自然観の育みや、郷土愛を次代につないで行く上で重要と考えます。
このため市内小学生を対象に地域理解を深め、郷土愛を育むこと、また地域の将来を担う人材育成を目的として、植林や間伐等の森林施業の体験講座を開設しています。

みどりの学習の推進

野生動植物との共生

妙高の森や里では、様々な要因により近年増加しているイノシシやクマ、サルといった野生鳥獣の被害が深刻です。
特に森と里との境界線付近では、被害が多発し、周辺に住んでいる人の生活環境が脅かされ、農作物に被害が出ています。また、最近では火打山山頂付近に設置したセンサーカメラに、2,000mを超える高山帯ではこれまで見ることのできなかったイノシシやニホンジカの姿が捉えられ、貴重な高山植物の減少やそれによる表土の流出など、国内由来の外来生物として、在来の生態系への影響が懸念されます。
イノシシやクマなど人的被害が懸念される大型鳥獣は必要な捕獲対策を実施していますが、サルについては餌付け防止の啓発活動、また群れへ発信機を付け、その動向を把握する中で、地域が事前に防御態勢を整えるなど、人が被害を避ける努力をしています。

野生動植物との共生
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