妙高火山群の活動により形成された妙高の大地には、ブナやミズナラなどによる深遠な森が育ち、森に湛えられた水は壮大な苗名滝や関川の流れをつくり出しています。
そこには冬の寒風や多雪に耐えてきた多様な動植物が生息し、厳しくもすばらしい自然の営みの中で人々は独自の文化や生活様式、そして山岳信仰等があいまった特徴ある風景を作り出してきました。朝・夕に眺める雄大な妙高の山並み、特に妙高山は郷土のシンボルとして、小・中学校の校歌には必ずと言ってよいほど歌い込まれ、私たち市民のアイデンティティー形成の根源となっております。地域の活性化にむけてはこれら自然観光資源の適切な活用を図る中での振興が求められています。
このような中、ライチョウや里地里山の保護・保全、また環境教育などの各分野において、豊かな見識とキャリアを持つ皆様からお集まりいただき、自然環境の保全などに係る諸課題に総合的に対応する「生命地域妙高環境会議」を設立しました。
美しく多様性に富む妙高の自然環境を次代に継承する「生命地域創造都市妙高」の実現を目指します。
【みんなの思い】
ライチョウを守りたい、高山植物を守りたい、いもり池の景観を保全したい、里山や棚田の景観を保全したい、厳しい自然のもと培われた生活・文化や歴史を守りたい、妙高の良さや魅力を知ってもらい、来訪者を増やし地域振興を図りたい・・・妙高の厳しくも豊かな自然環境やそこから恵みを受けた生活・文化、歴史等に対する保全や活用の思いはさまざま。
【個別対応から総合対応へ】
妙高の自然観光資源の保護や保全、活用の諸課題に総合的に対応するため、自然保護活動などに携わる市民の方と、国や県等の関係行政機関による協働組織として、生命地域妙高環境会議を設置したもの。
生命地域概念図
生命地域概念図
設立趣意書
設立趣意書
美しく多様性に富む妙高の森や川、
里山の自然環境を保全し、その魅力を引出し、発信する
妙高市民、市外住民など一人一人が
妙高の自然環境の豊かさや魅力を支える仕組みを創る
環境会議の目標達成のための環境会議に期待する役割は次のとおりです。
妙高の魅力を高める場
*国立公園内外の自然観光資源の掘り起こしと情報発信美しく多様性に富む自然環境を守り伝える
人材育成の場
妙高の自然観光資源の保全と活用に関する
情報交換の場
妙高の自然観光資源の保全を進めるための
労力や資金の確保の場
環境会議は妙高山麓の厳しくも豊かな自然環境やそこから恵みを受けた生活・文化、歴史等の自然観光資源を持続可能な地域資源として適切な保全と活用に取り組むことにより地域振興を進めるものですが、自立的、持続的な活動に向けては、市内外から賛同や協力を得て、多様な主体から関わっていただく必要があります。このため、環境会議の取り組みを広く理解していただくため、3つの具体的な取り組み目標となるプロジェクトを設定します。
【火打山自然回復プロジェクト】
火打山はその美しい高山植物や愛らしいライチョウに魅せられて登山する人が多い山です。しかし、山頂周辺では近年イネ科植物やササ類の繁茂、またニホンジカやイノシシの侵入により、お花畑やライチョウの生息環境が脅かされています。自然に任せ、高山帯という厳しい環境で維持されてきた生態系が野生生物により脅かされています。植生保全や大型草食動物の侵入対策を進めるなど、ライチョウがいつまでも棲み続けられる環境の保全を目指します。
妙高の自然を守るため「活動募金」にご協力ください。
寄付のお願い
【奥山、里山、里川の再生プロジェクト】
里山・里地の美しさ、心地よさも自然やふる里の恵みの1つです。自然の雄大さや巧みさは人の心を和ませ、育てるだけでなく、観光資源としても重要です。また奥山・里山・里川に存在する自然資本財は新たな価値を生み出す可能性を持っており、その活用を目指します。ニホンジカやイノシシの増加により農林業のみならず、生活環境、高山帯の生態系が脅かされています。このため必要な捕獲対策ができる体制づくりを目指します。
【自然体験プロジェクト】
人が森や里、川に関心を持てる仕掛けづくりとして、自然を理解する学習機会、また自然に負荷を掛けずに自然を楽しむスポーツやアクティビティを年間を通して提供します。